コルナゴC72の価格・重量とC68・V5Rsとの違い|C68に触れた筆者の設計分析

colnago C72 機材
colnago C72

伝統か、それとも高額な盆栽か。創業72年目の2026年、コルナゴがミラノのスカラ座で発表した「C72」(コルナゴC72)は、競技機材というより工芸品に近い一台です。この記事では、コルナゴ C72の価格・重量を公式情報で整理し、前作C68とレーシングモデルのV5Rsとの違いを比べます。

先に答え:価格・重量・向いている人
  • 価格(日本・税込):フレームセットは¥1,177,000(約118万円)。完成車は¥1,848,000(Ultegra Di2)〜¥2,805,000(Campagnolo Super Record)で、約300万円まではいきません。
  • 重量:フレーム895g(サイズ485・未塗装)。C68より30g軽いものの、V5Rs(685g)よりは約210g重い設計です。
  • 向いている人:軽さや速さより、造形の美しさや「手作業で組まれた一台」という満足感を重視する人。レースで勝ちたい人にはV5Rsが合います。

この記事の立場:筆者はC72の実車を見たことも、乗ったこともありません。C68は知人の車体に触れた経験があるだけで、走ってもいません。そのため、これは実走インプレではなく、公式情報と報道に基づく設計分析と、C68に触れた経験からの感想です。価格・仕様は2026年10月12日時点の公式情報で、今後変更される場合があります。

まず結論:勝利の「V5Rs」か、芸術の「C72」か

C72を検討するとき、いちばん避けて通れない問いは「なぜレーシングモデルのV5Rsを選ばないのか」です。軽さと速さだけで選ぶなら、答えはV5Rsです。フレーム重量はV5Rsが685g(未塗装)、C72は895g(サイズ485・未塗装)で、約210gの差があります。素材そのものの違いについては、カーボン素材の違いをまとめた記事も参考にしてください。

意外なのは価格差です。フレームセットはV5Rs(標準色)が¥1,089,000、C72が¥1,177,000で、差は88,000円(約8%)。同じDura-Ace Di2の完成車同士でも、V5Rsが¥2,090,000、C72が¥2,167,000で、差は77,000円です。「C72だけが飛び抜けて高い」というより、「V5Rsも十分に高く、C72はその少し上」というのが実情です。差が大きく開くのは、Campagnolo Super Record仕様の完成車(¥2,805,000)です。

比較項目 コルナゴ C72 C68 Road V5Rs
フレーム構造 モジュラー(ラグ)構造・7パーツ モジュラー(ラグ)構造・7パーツ モノコック構造
フレーム重量(未塗装) 895g(サイズ485) 925g(サイズ485) 685g
最大タイヤクリアランス(実寸) 35mm 32mm 32mm
スタック / リーチ(サイズ510) 562 / 387 557 / 388 557 / 390
フレームセット価格(税込) ¥1,177,000 ¥968,000 ¥1,089,000(標準色)
ホイール付き完成車(税込) ¥1,848,000〜¥2,805,000 ¥1,639,000〜¥2,585,000 ¥1,771,000〜¥2,090,000

※価格は2026年10月12日時点のコルナゴ日本公式サイト(税込)。重量はメーカー公称値で、C72とC68はサイズ485、V5Rsは公式にサイズ記載なし。C68の重量は海外メディアが報じたメーカー公称値。完成車の下限はUltegra Di2仕様、上限はC72とC68がCampagnolo Super Record仕様、V5RsはDura-Ace Di2仕様。出典は文末の[1][2][3][5][6]。

V5Rsが向いている人
  • レースやヒルクライムなど、軽さと速さを最優先する
  • 685gという軽さにお金を払う価値を感じる
  • 同じ予算で、より軽いフレームを選びたい
C72が向いている人
  • 造形の美しさや、所有する満足感を重視する
  • 最大35mmのタイヤで、荒れた路面を含むロングライドをしたい
  • イタリアの工房で手作業で組まれた一台に価値を感じる

つまりC72は、「速く走るための純粋な機材」としては、軽さの点で自社のV5Rsに分があります。そのかわりC72は、35mmまで入るタイヤクリアランスとボトルケージ下の内蔵ストレージ(報道による)で、休日のロングライドを楽しむ方向に寄せた設計です。

前作C68からの構造的進化:「あえて見せる」モジュラー構造

コルナゴのCシリーズは、1989年のC35に始まる、カーボンチューブとラグを接着して組み上げるハンドメイドの系譜です。C68もC72も7つのパーツから成り、モノコックが主流の現代では非効率とも言える方法を、あえて守り続けています。

C72では、ラグの継ぎ目をパネルギャップのように見せるディテールに仕上げた、とコルナゴは自動車の用語を借りて説明しています。さらに、リアトライアングルとシート周りを再設計して、振動吸収性を高めたとのことです。

C68 vs C72:何が変わり、何が引き継がれたのか

数字で見ると、変化は意外なほど控えめです。重量は30g軽くなり、タイヤクリアランスは32mmから35mmに広がりました。フレームセットの価格差は209,000円(¥968,000→¥1,177,000)です。

比較項目 前作 C68 Road 新型 C72
フレーム重量(サイズ485) 925g 895g(約30g軽量)
最大タイヤクリアランス 32mm 35mm
スタック / リーチ(サイズ510) 557 / 388 562 / 387
コックピット(別売¥148,500) CC.01 CC.02
収納 コラム内蔵型マルチツールが付属 ボトルケージ下に内蔵ストレージ(報道による)

※出典は文末の[1][3][5]。

医学生視点から見るジオメトリと快適性

医学生の視点:ジオメトリと姿勢

サイズ510で見ると、スタックハイトは557mmから562mmに上がり、リーチは388mmから387mmにわずかに短くなりました。スタックをリーチで割った比率は約1.44から約1.45で、メーカーも「スタック/リーチ比を高めた」と説明しています。

この変化は、上体が起きやすい、やや楽な姿勢に寄せたものと考えられます。腰・首・肩にかかる負担を減らしたい人には、理にかなった方向です。35mmまで入るタイヤも、路面からの振動を減らす方向に働くと考えられます。

ただし、姿勢や疲労の感じ方には個人差が大きく、ジオメトリだけで快適性が決まるわけではありません。ステムの長さやハンドルの高さ、サドルの位置、タイヤの太さと空気圧でも大きく変わります。私自身はC72に乗っていないので、「疲れにくい」とは言い切れません。

C68に触れて感じたこと(C72は未見)

先に書いておくと、私はC72を見たことがありません。C68は、知人の車体に触れる機会がありました。「触れた」だけで、乗ってはいません。なので、乗り味や走りについては、ここでは語れません。

それでも、あの一台の印象は強く残っています。ロードバイクというより、芸術品に近い。造形が美しく、Campagnolo Super Recordとの相性は抜群でした。

その流れを汲むC72も、公式の写真を見る限り、同じ方向を向いているように見えます。C68で受けた印象からすると、見た目で後悔することはないと、私は思っています。ただしこれは、C72の実車を見ていない人間の感想です。

ちなみに、C68で印象的だったSuper Record仕様は、C72にも公式の完成車(Bora Ultra付き・¥2,805,000)として用意されています。

C72の価格:構成別の一覧と、高いと感じる理由

C72は、ボトルケージ下の内蔵ストレージや新しいCC.02コックピットなど、現代的な装備も備えています。ここでは、日本での価格を構成別にまとめます。

構成 日本価格(税込) 備考
フレームセット ¥1,177,000 シートポスト・ヘッドセット・ストレージポーチ付き。CC.02一体型ハンドルは別売(¥148,500)
完成車 Ultegra Di2 ¥1,848,000 Ultegra C50TLホイール付き
完成車 Dura-Ace Di2 ¥2,167,000 Dura-Ace C50TLホイール付き
完成車 Campagnolo Super Record WRL ¥2,805,000 Bora Ultraホイール付き
La Scala 限定モデル(72台) 公式ページに記載なし 国内でも発表済み。購入はディーラーに要確認。欧州では22,000ユーロと報じられています

※2026年10月12日時点。出典は文末の[1][4][7]。為替や価格改定で変わる場合があります。保証は、海外の取扱店が「購入後30日以内にアプリ登録で2年から3年に延長」と案内していますが[8]、日本での条件は確認できていません。購入前にディーラーへ確認してください。

投資家視点で見る価格:リセールは未知数

C72は年間3,000本までの限定生産で、イタリアで手作業で組まれます[5]。希少性は、中古市場で値が崩れにくい要素になり得ます。ただ、発売から半年ほどのモデルなので、中古価格の推移はまだ分かりません。値持ちを当て込んで買うには、判断材料がまだ少ないと私は考えています。

私の正直な気持ちは、「美しい。でも、やっぱり高い」です。C68との差額は209,000円で、軽くなったのは30g。V5Rsより重く、価格は少し上です。それでも惹かれるのは、数字では測れない造形への憧れがあるからでしょう。300万円級の予算は難しい、という人には、日本で買えるコスパ重視の選択肢を別記事で比較しています。

総評:C72が提示する「完璧な構成」の真意

C72は、速さを競うための機材ではありません。年間3,000本という生産制限、カンビアーゴでの組み立てと仕上げ、イタリア国内でのエアブラシ塗装。これらは、自転車を工業製品から工芸品へ引き上げようとする試みです。

純粋に速く走りたい、レースで勝ちたい人は、V5Rsを選ぶのが筋です。一方で、自転車に乗ること自体を愛し、造形や所有する満足感に価値を置ける人にとって、C72は現代のカーボンロードが失いつつある「エモーショナルな価値」を残した一台です。美しさは期待していいと、C68に触れた私は思います。価格については、冷静に考えれば、やはり高い。その両方を受け止めたうえで選ぶバイクだと思います。

コルナゴ C72のよくある質問(FAQ)

コルナゴC72の価格はいくらですか?
日本の公式価格(税込・2026年10月12日時点)は、フレームセットが¥1,177,000、完成車が¥1,848,000(Ultegra Di2)〜¥2,805,000(Campagnolo Super Record)です。価格は変更される場合があるので、購入前に公式サイトかディーラーで確認してください。
C68との違いは何ですか?
フレーム重量が925gから895gへ約30g軽くなり、最大タイヤクリアランスが32mmから35mmに広がりました。サイズ510のスタックは557mmから562mmに上がり、やや楽な姿勢に寄せたジオメトリです。コックピットもCC.01からCC.02に変わっています。
V5RsとC72は、どちらを買うべきですか?
軽さと速さを重視するならV5Rs(フレーム685g)です。同じDura-Ace Di2の完成車なら、V5Rsのほうが77,000円安くなります。造形の美しさや所有する満足感を重視するなら、C72が候補になります。
C72の重量は?
フレーム単体で895g(サイズ485・未塗装・金具なし)です。完成車の重量は構成次第ですが、海外の取扱店はメーカーの説明として、仕様次第で6.8kg程度になると紹介しています[9]。
C72は試乗できますか?
筆者は試乗していません。公式サイトには、在庫状況と試乗できる店舗を検索できるオンラインストアのページがあります。購入や相談は、全国のコルナゴディーラーが窓口です(国内総代理店はアキボウ)。

情報時点:2026年10月12日。価格・仕様・取扱い状況は変更される場合があります。最新情報は公式サイトとディーラーでご確認ください。

参考資料・情報元

  1. コルナゴ日本公式サイト:C72(価格・仕様・ジオメトリ)
  2. コルナゴ日本公式サイト:V5Rs
  3. コルナゴ日本公式サイト:C68 Road
  4. コルナゴ日本公式サイト:C72 La Scala発表ニュース
  5. road.cc:Colnago unveils C72 road bike
  6. BikeRadar:New Colnago C72
  7. BIKE Magazin:Colnago C72 racing bike with exclusive special edition
  8. RA Cycles:Colnago C72 Frameset(海外取扱店・保証の案内)
  9. RA Cycles:Colnago C72 Dura-Ace Di2 Bike(海外取扱店・完成車重量の案内)
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