霞ヶ浦サイクリングの風|時計回りと反時計回り、どっちが楽?差がつくのは「前半と後半」でした

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霞ヶ浦をロードバイクで一周するとき、「時計回りと反時計回り、どっちが楽なんだろう?」と迷う人は多いと思います。

土浦駅から霞ヶ浦大橋を渡って戻ってくる約86kmのコースで、風向き8方向ごとに計算してみました。結果は少し意外でした。

結論:回る向きでは、ほとんど差がつきません。差は大きくても1〜2分ほどです。

差がつくのは「前半と後半のどちらがきついか」のほうです。土浦はコースの西の端にあるので、どちら回りでも前半は東へ、後半は西へ進みます。

そのため、東寄りの風なら前半が向かい風(元気なうちに済ませられる)、西寄りの風なら帰りが向かい風(疲れたところで来る)になります。

僕も土浦駅から反時計回りで一周したことがあります。平坦なので脚はかなり楽でしたが、景色があまり変わらないので、後半はとにかく長く感じました。あのとき風向きを前もって知っていれば、ペース配分ももっと上手くできたと思います。

この記事では、出発前にコース上の風を確認する方法と、風向き別のタイムの違い、季節の傾向、風に注意したい場所をまとめます。

このコースの風を、いまの予報で確認できます

霞ヶ浦のコース上の風を見る(無料) 8時出発・平均20km/hで開きます。出発時刻と速度はあとから変えられます

霞ヶ浦のコース上の風を今すぐ見る

上のボタンを押すと、自作の無料ツール「windcheck」に、この記事のコース(土浦駅発・霞ヶ浦大橋経由、約86km)が読み込まれた状態で開きます。

windcheckで霞ヶ浦のコースを表示した画面。地図のルートが風の向きで色分けされ、下に距離ごとの向かい風グラフがある
11月6日7時出発の例(PC表示)。西北西の風で、前半の南岸は追い風(紫)、50kmを過ぎて北へ折り返すと向かい風(赤・オレンジ)が続きます

画面の見方

  • 地図の色:赤・オレンジが向かい風、紫が追い風、黄色が横風かほぼ無風です。
  • タイム損失:無風のときと同じ力で走った場合に比べて、何分遅くなるかの目安です。
  • 順方向/逆回り:このコースでは順方向=反時計回り(南岸から先に走る)、逆回り=時計回り(霞ヶ浦大橋から先に走る)です。ボタンで切り替えて比べられます。
  • 距離ごとの向かい風グラフ:上に伸びるほど向かい風、下に伸びるほど追い風です。どこからきつくなるかがひと目でわかります。

使うときの注意

  • 予報は約4日先までです。それより先の日は表示できません。
  • 「おすすめ出発時刻」は風だけで決めています。日の出・日の入り、雨、交通量は考えていないので、明るさと天気は別に確認してください。
  • 予報は数km四方の平均です。湖岸の開けた場所では、表示より強く感じることがあります。

風速が何m/sならどれくらいきついのかは、ロードバイクの風速の目安にまとめています。

時計回りと反時計回り、どっちが楽?

コースの形:土浦が西の端、前半は必ず東へ

このコースは、霞ヶ浦(西浦)の南岸と東岸を走り、霞ヶ浦大橋を渡って出島(かすみがうら市)の湖岸から土浦へ戻ります。湖の北の端は回らないので、一周するより40kmほど短くなります。

進む向きを数えると、東向き19%、北西向き17%、南東向き14%、西向き14%…と、どの方角にも散らばっています。しまなみ海道のように「ほぼ北向き」のコースとは違い、どんな風でも、どこかで必ず向かい風になるコースです。

そして大事なのが、スタートの土浦がコースの西の端にあることです。反時計回りでも時計回りでも、前半は東の霞ヶ浦大橋・潮来方面へ向かい、後半は西の土浦へ戻ってきます。

風向き別のタイム差

風速3m/sの風がずっと同じ向きに吹いている、という条件で計算しました。無風なら平均20km/hで4時間18分のコースです。

風向き反時計回り時計回り前半(東へ)後半(西へ)
北+4分+4分−7分+11分
北東+4分+3分+9分−5分
東+6分+5分+22分−16分
南東+5分+5分+22分−17分
南+3分+3分+10分−7分
南西+3分+4分−5分+8分
西+4分+6分−16分+20分
北西+5分+6分−17分+22分

※無風との差。体重(自転車込み)80kg、CdA 0.32、平地を一定の出力で走る仮定。上り下り、信号、風の強さや向きの時間変化は含みません。前半・後半は反時計回りの値で、時計回りでもほぼ同じです。風速5m/sでは、合計の損失はどちら回りでも+9〜16分になります。

表からわかることは3つです。

  1. 回る向きの差は1〜2分。「どっち回りが楽か」で悩む必要は、ほとんどありません。
  2. 前半と後半では、20分以上の差がつくことがある。東寄りの風なら前半がきつく、西寄りの風なら後半がきつくなります。
  3. どの風向きでも、合計はプラス(遅くなる)。周回なので向かい風と追い風が半分ずつ来ますが、それでも打ち消し合いません。理由は次の節で説明します。

東風なら先に我慢、西風なら帰りに備える

同じ「+5分」でも、向かい風が前半に来るか後半に来るかで、体のきつさはまったく違います。

  • 東寄りの風(北東〜南):前半が向かい風、帰りが追い風。脚が残っているうちに向かい風を済ませて、最後は押してもらいながら土浦へ戻れる、いちばん気持ちのいいパターンです。前半で頑張りすぎないことだけ気をつけてください。
  • 西寄りの風(南西〜北):前半が追い風、帰りが向かい風。前半は速く進むので「今日は調子がいい」と勘違いしやすいのですが、残り40kmで向かい風が待っています。前半はあえて抑えめに走り、補給を早めにとっておくのがおすすめです。

西寄りの風の日にどうしても楽をしたいなら、出発時刻をずらして風が変わるタイミングを探すのが現実的です。ツールの出発時刻を1時間ずつ動かして、後半の赤い区間が減る時刻を探してみてください。ただ、上の画面の例のように「どの時刻でもほとんど変わらない」日もあります。そんな日は、ペース配分で対応するしかありません。

空気抵抗と体:医学生の視点

向かい風の損が追い風の得より大きいのは、空気抵抗が「体に当たる風の速さ」の2乗で効くからです。20km/h(約5.6m/s)で走っているときに3m/sの向かい風を受けると、体に当たる風は8.6m/sになり、空気抵抗は無風のときの約2.4倍になります。逆に3m/sの追い風では2.6m/sになり、空気抵抗は約0.2倍です。増えるほうが、減るほうよりずっと大きいのです。

向かい風で同じ速度を保とうとすると、必要な出力が大きく上がります。出力が上がれば心拍数も上がり、筋肉のグリコーゲン(糖の貯金)を使うペースも速くなります。後半に向かい風が来る日は、ちょうど貯金が減ってきたところで消費が増えるので、ハンガーノックの危険が高くなります。

向かい風のときは、速度ではなく「きつさ」を一定に保つのがコツです。速度計が15km/hまで落ちても、心拍数や呼吸のきつさがいつもどおりなら、それで正解です。心拍数を目安にした走り方は心拍数の記事で、向かい風に強いフォームや機材の考え方はエアロと軽量の記事で詳しく書いています。なお、感じ方や疲れ方には個人差があります。

僕が走ったときの話

僕が走ったのは、土浦駅から反時計回り(南岸が先)でした。季節や時間帯はもう覚えていないのですが、印象に残っているのは「平坦で楽、でも景色が変わらなくて長い」ということです。

上り坂がほとんどないので、脚への負担はしまなみ海道よりずっと軽く感じました。そのぶん、後半は湖と田んぼの景色が続いて、気持ちのほうが先に疲れてきます。そこに向かい風が重なると、数字以上にきつく感じると思います。だからこそ、「後半に向かい風が来るかどうか」を出発前に知っておくだけで、ずいぶん気が楽になるはずです。

季節ごとの風の傾向

気象庁 水戸地方気象台の解説では、茨城県は夏は太平洋高気圧から吹く南寄りの風、冬は乾いた北西の季節風の影響を受けるとされています。

  • 冬(12〜2月ごろ):北西の季節風が吹く日が多くなります。表でいえば「後半が向かい風」のパターンです。晴れて走りやすい日が多いぶん、風と寒さの対策をしっかりしておきたい季節です。
  • 夏(6〜8月ごろ):南寄りの風が吹きやすくなります。南の風なら前半がやや向かい風、後半が追い風です。ただ夏は風より暑さのほうが問題になるので、早朝スタートがおすすめです。
  • 春・秋:低気圧や前線が通るたびに風向きが変わりやすく、「この季節はこの風」とは言い切れません。当日の予報を見るのがいちばん確実です。

また、晴れて穏やかな日の昼間には、湖から陸に向かって風が吹くこと(湖風)もあります。ここに書いた傾向はあくまで目安なので、最後は必ずその日の予報で判断してください。

風に注意したい区間

霞ヶ浦大橋

霞ヶ浦大橋は、かすみがうら市と行方市を結ぶ全長約1.1kmの橋で、湖のほぼ真ん中を渡ります。周りに風をさえぎるものがまったくないので、横風を受けやすい場所です。片側に幅2.5mの歩道がありますが、歩行者や対向の自転車とすれ違うこともあります。通り方は現地の案内表示に従い、風が強い日はスピードを落として、ハンドルをしっかり握って渡ってください。ディープリムのホイールは横風にあおられやすいので、特に注意が必要です。

湖岸の開けた区間

霞ヶ浦の湖岸は、湖と田んぼやハス田にはさまれた見晴らしのいい道が長く続きます。景色がいいぶん、風をさえぎる建物や林がほとんどありません。地図上では同じ色の区間でも、実際には予報より強く感じることがあります。向かい風の区間が何km続くのかを、グラフで先に見ておくと気持ちの準備ができます。

風が強い日

霞ヶ浦は湖面が広いので、強い風が吹くと大きな波が立ちます。台風のときには、波が堤防を越えたこともあるそうです。ツールで風速が5m/sを大きく超える予報が出ている日は、距離を短くするか、日を改めることも考えてください。途中でやめたくなったときのために、レンタサイクルの返却場所や駅の位置を先に調べておくと安心です。

走る前のチェックリスト

  • windcheckで当日の風を確認した(前半と後半、どちらが向かい風か)
  • 補給食と水を持った(後半が向かい風の日は多めに)
  • 休憩場所を決めた(霞ヶ浦大橋のたもとの「道の駅たまつくり」が、反時計回りで60km付近です)
  • ライトを付けた(86kmで5時間近くかかります。冬は日が短いので特に注意)
  • パンク修理の道具を持った
  • 自転車保険に入っているか確認した

自転車保険

茨城県では、県の交通安全条例で、自転車を利用する人は自転車保険への加入に努めなければならないと定められています(努力義務)。義務ではありませんが、自転車で人にけがをさせてしまい、数千万円の賠償を命じられた判決もあります。ロングライドに出る前に、自分が入っている保険で自転車事故の賠償がカバーされているか、一度確認しておきましょう。

まだ入っていない人は、月数百円から入れる自転車保険があります

自転車保険

よくある質問

Q. 北の端まで回る一周コースだとどうなりますか?

湖の北側まで回ると、距離は130〜140kmほどになります(資料によって少し違います)。この記事のコースより40kmほど長くなるので、風の影響を受ける時間も長くなります。自分で作ったGPXをwindcheckに読み込めば、同じように風を確認できます。100kmを超えるコースは、約2kmごとに区切って計算します。

Q. 初心者やクロスバイクでも走れますか?

坂がほとんどないので、走りやすいコースです。ただ86kmは、平均20km/hでも4時間以上かかります。初めてなら、休憩をこまめにとり、向かい風の日は無理をしないでください。速度ではなく、きつさを一定に保つのがコツです。

Q. 自転車を持っていなくても走れますか?

土浦駅直結の「りんりんスクエア土浦」でスポーツバイクを借りられます。シャワーやコインロッカーもあるので、走り終わってから汗を流して帰れます。料金や台数は変わることがあるので、事前に公式情報を確認してください。

Q. 何時に出発するのがいいですか?

風だけで考えるなら、ツールの「おすすめ出発時刻」が目安になります。ただし、おすすめ出発時刻は風だけで決めていて、明るさや雨、交通量は含みません。86kmに休憩を入れると5〜6時間かかるので、明るいうちに戻れる時刻から逆算して決めてください。

まとめ

  • 霞ヶ浦(土浦駅発・霞ヶ浦大橋経由、約86km)は、時計回りと反時計回りの差が1〜2分しかない
  • 差がつくのは前半と後半。東寄りの風なら前半が、西寄りの風なら後半が向かい風になる
  • 周回でも、風があると合計は必ず遅くなる(3m/sで+3〜6分、5m/sで+9〜16分)
  • 後半が向かい風の日は、前半を抑えて補給を早めに。速度ではなく、きつさを一定に
  • 霞ヶ浦大橋と湖岸の開けた区間は、横風と強風に注意

「どっち回りにしよう」と悩むより、「今日は帰りが向かい風かどうか」を出発前に確認しておくほうが、ずっと役に立ちます。

同じように風でルートを選ぶなら、片道コースのしまなみ海道は向きで大きく差がつきます。しまなみ海道の風の記事もあわせてどうぞ。

出発前に、当日の風を確認しておきましょう

霞ヶ浦のコース上の風を見る(無料) 予報は約4日先まで。出発時刻・平均速度・回る向きを変えて比べられます

参考にした情報

  • 気象庁 水戸地方気象台「茨城県の気候の特徴」 https://www.data.jma.go.jp/mito/bosai_database/chiseikishou/tsuchiura.pdf
  • 茨城県「茨城県交通安全条例について」 https://www.pref.ibaraki.jp/seikatsukankyo/seibun/anzen/20190625.html
  • 茨城県霞ケ浦環境科学センター「霞ヶ浦とつくば霞ヶ浦りんりんロード」講座報告 https://www.pref.ibaraki.jp/soshiki/seikatsukankyo/kasumigauraesc/05_gakushu/kasumigauragaku/documents/2019_kasumigauragaku10_kekka.pdf
  • 国土交通省 関東地方整備局「霞ヶ浦での波浪現象」 https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000022913.pdf
  • 土浦市「りんりんスクエア土浦」案内 https://www.city.tsuchiura.lg.jp/data/doc/1521008878_doc_159_7.pdf
  • たびまがじん「霞ヶ浦大橋」 https://tabi-mag.jp/ib0203/
  • さんたつ「霞ヶ浦サイクリング コースガイド」 https://san-tatsu.jp/articles/95908/
  • 国土交通省「自転車損害賠償責任保険等への加入促進について」 https://www.mlit.go.jp/road/bicycleuse/promotion/index.html
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