ウルシュカ・ジガートは、同じ世界で戦うプロ選手でした
タデイ・ポガチャルのパートナー、ウルシュカ・ジガートとはどんな人なのか。婚約の経緯、2022年と2024年の出来事、2026年10月の最新ニュースまで、報道で確認できた事実と医学生としての考察を分けて整理します。
最終確認:2026年10月16日
結論:3つでわかる二人
- 誰? スロベニアの女子ロード選手です。ポガチャルとは2021年9月に婚約したとされています。結婚の公式発表は、私が確認できた範囲では見つかりませんでした。
- 今は? AG Insurance–Soudal所属で、2026年10月3日に2029年までの契約延長が発表されました。
- 二人の絆が見えた出来事 2022年のリエージュ欠場と、2024年のパリ五輪辞退。この記事の後半で、確認できた事実だけを整理します。
01二人のプロフィール早見表
ポガチャルの彼女、と聞くと「有名選手を支える人」というイメージが先に立つかもしれません。でもウルシュカは、ワールドツアーのチームと契約するれっきとしたプロ選手です。二人のベースだけ、先に押さえておきましょう。
タデイ・ポガチャル
UAE Team Emirates
- スロベニア出身の男子ロード選手
- 2024年にジロ、ツール、世界選手権の「三冠」
ウルシュカ・ジガート
AG Insurance–Soudal
- 29歳(1996年12月生まれ)の女子ロード選手
- 2024年にスロベニア国内選手権でロードとTTの二冠
- 2026年10月、2029年までの契約延長を発表
二人の日常がわかるひとコマも置いておきます。ポガチャルとウルシュカが、一緒にマフィンを食べている場面です。レースで見せる顔とは違う、肩の力が抜けた雰囲気が伝わってきます。
02二人の歩みを年表で整理
まずは時系列で。細かい経緯は、次の章から順に見ていきます。
婚約
ウルシュカの経歴をまとめたWikipediaには、2021年9月に婚約したと記載されています。
ポガチャルがリエージュを欠場
ウルシュカの母が亡くなり、前年王者だったポガチャルは出場を見送りました(第03章)。
ウルシュカが国内選手権で二冠
スロベニア国内選手権で、ロードレースとタイムトライアルの両方を制しました。
ポガチャルがパリ五輪を辞退
ウルシュカが代表から外れたことが、判断に影響したと本人が認めています(第04章)。
AG Insurance–Soudalへ
前年までのチームを離れ、AG Insurance–Soudalに所属しました。
2029年までの契約延長
チームとの契約を2年延長したと発表されました。
032022年:ウルシュカのそばにいることを選んだ
2022年4月、ポガチャルは前年の覇者として臨むはずだったリエージュ〜バストーニュ〜リエージュを欠場しました。直前のフレーシュ・ワロンヌを12位で終えたあと、家族の事情でスロベニアへ戻っており、パートナーを支えるために出場を見送ると発表しています。代わりにブランドン・マクナルティがチームの枠に入りました。
背景には、ウルシュカの母の死がありました。がんの治療中だったものの、亡くなったのは予期せぬことだったと報じられています。二人は、母が出席できるようにと結婚式を延期していたとも伝えられています。
ここから先は、事実ではなく私の考えです
前年王者のタイトル防衛を見送るのは、プロ選手にとって軽い判断ではありません。それでも彼女のそばにいることを選んだ。大切な人を亡くした直後は、周りに誰かがいること自体が支えになるのが一般的です。悲嘆への支援でも、本人を孤立させないことは基本の一つとされています。
042024年:パリ五輪の選考で何があったのか
この件は印象で語られがちなので、確認できたことと、確認できていないことを分けて整理します。主な出典は、2024年7月24日付のThe Guardianの記事です。
報道で確認できること
- ウルシュカは2024年の国内選手権で、ロードとTTの両方を制した。
- 代表に選ばれたのは、国内選手権で彼女に11分差をつけられた2位の選手だった(報道による)。
- ポガチャルは土壇場で五輪を辞退した。疲労が理由とされるが、本人はウルシュカの落選について「主因ではないが、助けにはならなかった」という趣旨で影響を認めた。
- ポガチャルはSNSで、選考結果に言葉を失うほどの強い不快感を示した。
確認できていないこと
- 連盟や代表監督による公式な選考理由。報道では確認できませんでした。ウルシュカ本人は、監督から連絡があり、決定は前年に済んでいたと語っています。
- 辞退が「抗議」だったかどうか。本人の説明は「疲労が中心で、落選は主因ではない」です。抗議だったと断定はできません。
私の見方
パートナーが世界的スターだと、女性選手の実績が本人の外側の事情で語られやすい、という構図は確かにあると思います。ただ、この件で選考側の意図は確認できません。「政治的な歪み」と断じるより、「結果で示した選手が、納得できる説明を受けられたのか」という問いとして受け止めるのが誠実だと考えています。
05医学生の視点:「支え合い」は本当に回復に効くのか
ここからは医学生としての考察です。二人の私生活を医学的に断定することはできません。代わりに、人とのつながりと健康について、研究で言えることを整理します。
人とのつながりは、健康に関係する
研究①:社会的なつながりと生存(Holt-Lunstad ら、2010年)
- 148の研究、約30.9万人のデータを統合した分析。
- 人間関係が強い人は、そうでない人より生存の可能性が約50%高い(オッズ比1.50)という結果でした。
注意:観察研究の統合なので、「つながりが原因で長生きする」とまでは言えません。アスリートだけを調べたものでもありません。
研究②:支えとオキシトシン(Heinrichsら、2003年)
- 健康な男性37人が対象。人前で話す課題(ストレス負荷)の前に、オキシトシンまたはプラセボを点鼻しました。
- 一部は親友が付き添い、一部は一人で準備しました。
- 親友の付き添いだけでも、唾液中のコルチゾールは低下。点鼻と付き添いを組み合わせると、コルチゾールが最も低く、不安も少なくなりました。
注意:対象は男性37人、実験室での課題、オキシトシンは点鼻です。「レース後の抱擁でも同じことが起きる」とまでは言えません。
医学生メモ:パートナーが選手だと何が違う?
「同じ競技のパートナーだから回復が早い」と示した研究は、私が調べた範囲では見つかりませんでした。あくまで推測ですが、きつさや減量、遠征の多さを説明しなくても分かってもらえること自体が、支えになっている可能性はあります。ただし、これは二人の実際の様子を確かめた話ではありません。
笑って走ると、ほんとうに楽になる?
ポガチャルはレース中によく笑います。これが二人の関係のおかげかどうかは、誰にも分かりません。ただ「笑顔と走りの関係」自体は、研究があります。
研究③:笑顔と走行効率(Brickら、2018年)
- トレーニングを積んだランナー24人が対象。VO2max走速度の70%で、6分間を4種類の条件で走りました(笑顔・しかめ面・手と上半身をリラックス・普段どおり)。
- 笑顔のときは、しかめ面や普段どおりより、酸素消費量が少なくなりました。きつさの自己評価(RPE)は、しかめ面のときがもっとも高くなりました。心拍数には差がありませんでした。
注意:著者自身も「暫定的な結論」としています。人数が少なく、走ったのはランナーで、ロードレースの選手ではありません。
つまり、「楽しそうに走るのは余裕の表れ」というより、笑うこと自体が少し楽にしてくれる可能性がある、という程度の話です。キツい登りで口角を上げてみる、は誰でもすぐ試せます。ただし効果には個人差があるはずです。
06次に読む:ポガチャルをもっと知る
興味に合わせて、続きを選んでください。
ポガチャルの人物像をもっと知りたい
強さの秘密を、自転車の目線で知りたい
07よくある質問
ポガチャルの彼女は誰ですか?
スロベニアの女子ロード選手、ウルシュカ・ジガートです。年齢や成績など、選手としての詳細はウルシュカ・ジガートの解説記事にまとめています。
ポガチャルとウルシュカは結婚しましたか?
2021年9月に婚約したとされていますが、結婚の公式発表は、私が確認した2026年10月16日時点の範囲では見つかりませんでした。2022年には、母が出席できるよう結婚式を延期していたと報じられています。新しい情報が出たら更新します。
ウルシュカは今どのチームに所属していますか?
AG Insurance–Soudalです。2026年10月3日に、2029年までの契約延長が発表されました。
ポガチャルのパリ五輪辞退は、ウルシュカの落選への抗議だったのですか?
本人の説明では、疲労が中心で、落選は「主因ではないが助けにはならなかった」という位置づけです。抗議だったと断定できる材料はありません(第04章)。
参考情報および出典
- The Guardian(Yahoo Sports転載):Tadej Pogacar says decision not to select girlfriend helped sway Olympic no-show(2024年7月24日)
- Belga News Agency:Liège-Bastogne-Liège: Tadej Pogačar will not compete after passing of mother-in-law
- CyclingUpToDate:Urska Zigart renews until 2029 with AG Insurance - Soudal
- Wikipedia:Urška Žigart
- Holt-Lunstad J, Smith TB, Layton JB. Social relationships and mortality risk: a meta-analytic review. PLoS Med. 2010. doi:10.1371/journal.pmed.1000316
- Heinrichs M, et al. Social support and oxytocin interact to suppress cortisol and subjective responses to psychosocial stress. Biol Psychiatry. 2003. PubMed
- Brick NE, McElhinney MJ, Metcalfe RS. The effects of facial expression and relaxation cues on movement economy, physiological, and perceptual responses during running. Psychol Sport Exerc. 2018;34:20-28. Ulster University
※本記事は報道と研究にもとづく一般的な情報で、個人の診断や治療の助言ではありません。二人の私生活や健康状態を断定するものでもありません。体調に不安がある方は医療機関に相談してください。
更新:2026年10月16日(最新の契約延長、事実関係、医学的な記述を見直しました)

